再発(失敗)した場合の治療
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<再発した場合の治療33症例> 再発してもあきらめて抜歯しないで下さい。ここは再発した場合に再手術で成功させることに特化したページです。歯根端切除術をして再発した場合、ほとんどの歯科で抜歯と言われてしまう。その理由は再発した原因がよく判らないとされるからです。
他ネット相談で「歯根端切除術は最後の手段で、失敗したら抜歯するしかない」と回答していますが、それは間違いだと反論しここに証明します。私があきらめない理由は、再発の原因が解明されそれに対応する治療法が判ったからです。「再発した方の相談コーナー」はこちら。
再発例を成功へ導くためには、敵を知り(感染源の特定)、有効な武器(完全封鎖できる逆根管充填材)を持って、戦術(多くの引き出し)を練って、戦い(再発治療)に挑まなければならない。敵のことを良く知らずして、有効な武器を持たないまま、戦術を練らないままで挑んでも再度の戦いに勝てない。
再発治療においては、敵(感染源)は逆根管だけでなく歯根歯質にも潜んでいることがあるので、感染歯質チェック診断が重要となる。治らなかったのは感染歯質の存在に気づかず治療できなかったせいかもしれない。高い成功率を成すための武器としては、固まるだけの充填材ではなく歯質接着性のSBセメントが有効である。MTA充填セメントは歯質接着性がないため逆根管の封鎖性で劣り、再発例に対して有効な武器とはならない。
歯根端切除術のサイトは多くあるが、「再発した場合の診断と治療法」を記載したサイトは唯一ここだけです。1年後に「あきらめないで良かったね」と患者さんと共に喜びたいです。喜んでいます。もちろん全例を助けられる訳ではないが、再手術でも成功率は90%以上で良好です。以下再発33症例、筆者の治療結果を見て下さい。治癒した症例だけを選んだのではなくほとんどの症例がこのようになります。
*逆根管充填をしないとその多くが再発します。歯科大学や病院歯科の口腔外科の先生へお願いです。やりっぱなしでなく1年後の経過を診て検証して下さい。歯根先を切るだけの逆根管充填をしない手術は約50%再発しますのでもうやめて下さい。再発症例から学ぶことは多く、それを次の症例に活かして成功率を高めて欲しいです。
*再発3大原因:1.逆根管充填をしなかった。2.逆根管充填材が不良で根管封鎖ができなかった。3.感染歯質や亀裂があった。
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<再発した場合に再歯根端切除術で歯を残す>
再発の最も多いパターン:1.2.3.4 9.10.11.12
歯根が短い: 2.3.4 8
非常に大きい歯根嚢胞: 5.6 17 24 29
金属土台が露出し逆根管形成できない: 8.9
上顎 4.5番: 13.14.15.16
下顎4番: 17
下顎6番: 18.19.20.21.22
上顎6番: 27
4回目の再歯根端切除術で成功: 10
感染歯質が原因: 24 28
MTAの再発例: 15 20 23 32 113
長期経過:症例4は術後10年6か月。症例10は術後5年5か月。症例25は術後8年。
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再発例35:43歳女性【逆根管充填がされず根管腐敗、感染象牙質と微小亀裂を認めた】5144
約3年前に左上2番の歯根端切除術を受けたとのこと。2か月前から歯茎にフィステルと痛みがあり近歯科を受診、抜歯・インプラントを勧められたが、歯を残したくネット検索し来院した。当院で再歯根端切除術、嚢胞摘出。切断面の根管は逆根管充填されてなく黒く腐敗し、感染歯質と微小亀裂を認めた。
切断面を皿状に形成しSB逆根管充填を行う。1年後、症状なく根尖部の病変は消失し歯槽硬線が出現し完治していた。感染歯質が原因であるためマイクロ・MTAでは治せない症例である。また再根管治療ではなく歯根端切除術が第一選択となる症例でもある。

術前 切断のみ 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
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再発例30:62歳女性【逆根管充填をしなかったため根管腐敗し再発】
3年前に左上1番の歯根端切除術を受けたが約2か月前から歯茎に腫れとフィステルができて膿が出ている。当院で再歯根端切除術、嚢胞摘出術を行った。再発原因は、①歯根端を切除したのみで逆根管充填をしなかったため根管に細菌感染源が残っていた、②切断面の歯質に感染象牙質が残っていた、であった。腐敗した根管充填材を全て除去し切断面を皿状に形成、SB(スーパーボンドラジオペーク)で逆根管充填した。
3週間後に全ての症状は消失、3年後のレントゲンで病変は消失し切断面に歯槽硬線が出現し完治していた。教訓として、術者は逆根管充填しない歯根端切除術をしてはいけない、患者さんは逆根管充填しない手術を受けてはいけない。年間約100例の再発治療手術をしているが再発原因のほとんどがこれである。

術前 歯根先を切断しただけ 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
病変は消え歯槽硬線が出現 ――――――――――――――――――――――――――――――
再発例31:45歳女性【MTAで再発。逆根管充填したが根管封鎖不良で感染源となっていた】
左下6番、歯茎の腫れと痛みがあり紹介されて歯科大学病院を受診、歯内療法科教授にて歯根端切除術、MTA逆根管充填を受けた。しかし約2週間後、歯茎にフィステルと痛みが出現し再発した。抜歯を提案されたが歯を残したくネット検索し当院受診、再歯根端切除術、嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。逆根管充填されていたMTAセメントはボソボソで根管封鎖は不良、感染源となっていた。術後3週間には症状は消失、1年後のレントゲンで根尖病変は消失、歯槽硬線が出現し完治した。逆根管充填材としてのMTAとSBの差を示す症例でもあった。当院ではMTA失敗症例の再手術が増加している。2025



術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
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再発例32:41歳男性【逆根管充填がされなかったため感染し再発】4548
右下5番、6か月前に歯肉の腫脹とフィステル、排膿を認め近歯科で歯根端切除術を行った。術後1か月でフィステル再発、3か月前に2回目の再歯根端切除術を受けた。しかし再度フィステルが出現したため、心配でネット検索して当院受診した。初診時は歯肉の圧痛とフィステルを認め、再歯根端切除術、嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。1か月後には症状消失、経過良好であった。考察:根尖の切断のみで逆根管充填がされなかったのが再発の原因であり、この術式を広めてはいけない。



術前 歯根端切除術 1年後.症状なく経過良好
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再発例33:47歳女性【逆根管充填を行ったが、充填材が取れており感染、再発した】
左上2番の口蓋歯肉にフィステル、排膿があり歯科大学口腔外科にて歯根端切除術(EBAセメント)を行った。しかし、9年後フィステル出現、咬合時痛を認め当院受診された。
レントゲンにて左上2番に大きい嚢胞と思われる根尖病変を認め再発と診断。当院にて再歯根端切徐術、嚢胞摘出、SB逆根管充填を行った。再発した感染原因は、逆根管充填されたEBAがボロボロで根管封鎖性が不良であったため。術後1か月、フィステルは消失し経過良好。1年後、根尖の上方に影は認めるものの、切断面には骨が再生し良好であった。上方の影は病変ではなく瘢痕性の組織と思われ問題はない。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
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再発例34:歳女性【逆根管充填がされなかったため感染し再発、感染歯質】4960
約6年前に右上2番の口蓋部が腫れ、病院口腔外科にて入院全身麻酔下で歯根端切除術を受ける。2年前から歯茎の腫れを繰り返し心配で来院す。右上2番歯茎に腫れと圧痛を認め、レントゲンで右上1.2番根尖病変を認め再発であった。当院にて再歯根端切除術、嚢胞摘出を行う。再発原因は根尖切断のみで逆根管充填がされてなく、根管は黒く腐敗し感染象牙質を認めた。また壊死セメント質も見られ歯根端を2mm斜めに切断、切断面を皿状形成、超音波チップで逆根管を深さ7mm形成、シリンジを使ってスーパーボンド・ラジオペークを流し込み逆根管充填した。症状なく切断面の骨再生は順調である。上方に瘢痕組織と思われる骨空洞を認めるが病変ではないので問題はない。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
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再発例1:49歳女性521
15年前右上1歯茎が腫れ歯根端切除術を行った。1年前から違和感が強くなり近医歯科受診、再発しているのでこれ以上治療法はなく抜歯を勧められた。当院にて歯根端切除術、嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。1年後症状なくレントゲンでも根尖病変消失、歯槽硬線が出現、完治した。



術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
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再発例1:48歳男性【逆根管充填をしなかったため切断面の根管充填材が腐敗し感染、再発した】
約5年前に某都立病院口腔外科にて左上2番の歯根端切除術を行った。1か月前から歯茎の腫れと圧痛が出て再発、当科受診し筆者にて再歯根端切除術を行った。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。切断面根管のセメントやガッタパーチャ充填材は黒く変色しボロボロで、腐敗して細菌感染源(培地)となり歯根嚢胞が生じていた。
逆根管形成用のダイヤモンド付き超音波チップで、腐敗した根管充填材を全て除去し、SB接着セメント(スーパーボンド・ラジオペーク)で深さ4mmの逆根管充填を行った。術中に切断面の根管がきれいに見えても後から腐敗してくるので逆根管充填は大事である。レントゲン写真で向かって右が患者さんの左側の歯となります。手術1か月後には症状は全て消失、4年後のレントゲンで根尖病変は消失し歯槽硬線が出現、完治していた。
逆根管充填はそれほど難しくないのに前医はなぜしてくれなかったのだろうか?面倒だから?しないでも治ると思った?成功率50%と分っているが成功しないと思って手術した?逆根管充填しないDrは成功を目指してないからやりっぱなしで1年後の経過は診てくれない。このケースのように逆根管充填をしない再発パターンは非常に多く、再発の典型例で悲しく嘆かわしい。

術前. 歯根端切除術 直後 4年後. 症状なく経過良好
逆根管充填をしてない. 病変は消失、歯槽硬線が出現し完治した.
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<歯根端切除術が失敗した場合の原因と治療ポイント>
再発した場合、原因不明のまま同じ手術をしたり、逆根管充填しない再手術をしたのでは成功しない。重要なのは再発原因の検証です。歯根のどこかにまだ感染源が残っていたためで、歯根端切除術の再発4大原因をレントゲンで診断し術中に解明することが重要です。原因の解明なくして成功はない。
ポイントは切断面の根管と感染歯質のチェックです。原因も判らず闇雲に再手術で歯根をさらに切断して短くしても成功する訳がない。再発した患者さんがこのページを見た後に、担当医が分からなくても自分の歯がどうして失敗したのかが分かってもらえると思います。そして今後どうしたら成功するかも。私は成功例よりも失敗例から多くのことを学びました。それを失敗した歯に活かし歯を残します。
再発の治療ポイントは、、
1. 逆根管の汚染、感染歯質、微小亀裂などの感染源の特定診断をすること。歯科レントゲンやCTでの画像診断。マイクロスコープの使用は微細な感染歯質や亀裂を発見するのに有効です。
2. 完全封鎖できる逆根管充填材を選択する。再手術における逆根管充填材は何が良いだろうか?MTAセメントは逆根管を完全封鎖できず辺縁漏洩による細菌感染の可能性があるので適さない。SB接着セメントは完全封鎖ができるので成功の可能性は高いと筆者は思っている。再発例に対してMTAは非適応でもSB接着セメントは適応で、再手術成功率には大きな差があると思っている。論文:逆根管充填材として使用したMTAの辺縁封鎖能と硬度における血液汚染物の影響
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再発例2:46歳女性【歯根が短い。切断面の根管充填材が腐敗していた】
5年前に左上2番を他院にて歯根端切除術を行ったが、歯茎の腫れと痛みが出て再発したため抜歯と言われた。当科にて左上1.2番の歯根端切除術を行った。左上2番の歯根は約4mm大きく切除され歯根は短い。これは必要な処置だったのだろうか?再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかったためで、切断面の根管に細菌感染の繁殖部が残っていたと考えられる。歯根端切除術は悪い所を切り取れば治るという手術ではない。いわば歯根端切除・逆根管充填術と言える。
[治療と経過]:左上2番の切断面を一層だけ削去した後、超音波チップで腐敗している根管充填材を全て除去し穴を掘って、SB接着性セメントを接着充填する逆根管充填を行った。3週間後には症状は消失し、1年後のレントゲン写真で根尖病変の陰影は消失し骨は再生、4年後も安定し完治した。患者さんは「あきらめないで良かった」とネット検索の有難さを喜んでいた。確かにこの1歯がなくなった後を考えれば残す価値は非常に大きい。

術前 ↑ 左上1.2歯根端切除術 直後 4年後. 全く症状なく経過良好.
左上2番の歯茎に腫れと痛み. SB接着セメントで逆根管充填 切断面に歯槽硬線が出現し完治. 2年後に
歯根は4mmも切除されていた 右上1.2番を追加 歯根端切除術している
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再発例3:36歳男性【歯根が短い。切断面の根管充填材が腐敗していた】
約7年前に近歯科医院で左上1番の歯根端切除術を行ったが、約3か月前から歯茎の疼痛、腫脹が出現したため紹介にて来科。レントゲンで根尖病変を認め、歯根は大きく切除され短い。当科にて再歯根端切除術を行った。根尖切断面の根菅充填材は黒く腐敗し、感染歯質も認めたため専用超音波チップで大きく逆根管形成、SB接着性セメントを流し込み逆根管充填した。
再発原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。手術2週間後には症状はなくなり、2年後のレントゲンで根尖病変は消失、歯槽硬線が出現して治癒していた。

術前 歯根端切除術 直後 2年後. 症状なく経過良好.
完治を示す歯槽硬線が出現した
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再発例4:38歳男性【歯根が短い。逆根管充填が不良】
約13年前、近歯科で右上1番の歯根端切除術を行う。3年後に歯茎の腫脹、圧痛が出現し再発。当科にてスーパーボンドを逆根管充填する再歯根端切除術を行った。再発の原因は、切断面にはレジン逆根管充填がされていたが探針ですぐに脱離し封鎖不良であった。他歯の相談のため手術10年6か月後に来院、長期経過で症状なくレントゲンでも完治し安定していた。

術前. 歯茎の腫れと痛み. 歯根端切除術 直後 1年後. 10年6か月後. 症状なく経過良好.
歯根は大きく切除され短い. SB逆根管充填した。 切断面には完治を示す歯槽硬線が
出現していた。
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再発例5:45歳女性【大きい歯根嚢胞. 逆根管充填が不良であった 】
約8年前に右上1番を外傷にて抜歯しブリッジ装着。3年前に右上2番の歯茎に腫脹あり、某病院歯科口腔外科で歯根端切除術をするが、1か月後に再発。某大学病院を受診するも抜歯と言われたため当院受診。来院時には右上1.2番の歯茎に腫れと痛みを認め、消炎後に右上2番の再歯根端切除術を行った。
再発の原因は、CRで逆根管充填されていたが根管封鎖不良と、歯根近心側面に壊死セメント質を認めた。歯根嚢胞が歯肉縁に及ぶ難治症例だったが術後経過は良好。2年後のレントゲンを見ると、病巣の骨欠損への骨増生は良好である。患者さんの喜びは大きく、術者としてもよくぞここまで治ったものだと諦めなくてよかった。

術前. CR逆根管充填されていた 歯根端切除術 直後 2年後. 症状なく経過良好.
歯根近心側に感染セメント質+ 人工骨やメンブレンを使用しなくても
骨増生は良好. 歯槽硬線を認める.
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再発例6:40歳男性【著しく大きい歯根嚢胞で、逆根管充填してない。人工骨が腐敗していた】
約10年前に開業歯科で右上2番の歯根端切除術を行った。3ヵ月前から右口蓋部腫脹と疼痛があり近歯科受診、レントゲンで根尖病変の陰影が大きいため、紹介され来院する。当科にて右上1.2番の再歯根端切除術、SB逆根管充填を行った。人工骨が填入されていたが感染して腐骨となっていたため、巨大な嚢胞とともに掻爬除去した。病理検査は歯根嚢胞であった。
右上2番の再発原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。術前にあった症状は1か月後には消失し、3年後には大きい嚢胞があった骨空洞はどんどん骨が再生し埋まっている。逆根管充填をしないで感染源を残したまま人工骨を入れるとは無謀です。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
根尖の周囲には正常な骨が再生された
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再発例7:34歳男性【再発原因は逆根管充填してなく、根管は腐敗していた】
2か月前にブリッジの支台である左上1番を他院にて歯根端切除術を行ったが、歯茎が腫れて膿が出るようになり再発、当科にて再度歯根端切除術を行った。本来は根管治療で治すケースだが前手術で根尖の根管が破壊されているため再歯根端切除術が適応となる。
再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。根管は黒くドロドロに汚染されていたため、根管内を超音波チップと薬液で洗浄・消毒した後、逆根管充填をした。根尖は0.5mm一層だけ追加切除したのみにとどめた。このような深い根管内でも手術は可能であり細菌繁殖部がなくなれば治癒する。専用の超音波ダイヤモンドチップで長いタイプがあり、逆根管10mmの深さまで形成できる。「ブリッジを壊さなくて良かった!」と患者さんは喜んでいた。

術前 歯根端切除術 直後 2年後. 症状や根尖病変の影は消失
歯槽硬線が出現
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再発例8:50歳女性【切断面に金属土台が露出し、逆根管充填は困難。歯根は短い】
ブリッジの支台である右上1番を他院にて歯根端切除術を行ったが、歯茎の腫脹やフィステル、排膿を認めるようになった。1回目の手術で歯根は大きく切除され金属の土台(コア)が露出している。某歯科大学病院を受診し相談したところ、切断面に金属が露出しているため歯根端切除術は無理で抜歯するしかないと言われたが、紹介来院し当科にて再歯根端切除術を行った。
再発の原因は逆根管充填できず、露出した金属周囲のセメントが腐敗し細菌感染の繁殖部となっていたためと思われた。たとえこのように根尖に金属が露出していても、粒状ダイヤモンドバーで金属を一層削去しSB歯質金属接着性セメントを逆根管充填することで、歯根端切除術は可能で成功する。つめて固まる充填材であるEBAやMTAセメントは接着しないので、すぐに取れてしまうため、こうはいかないし確かに適応外と思われる。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好.
SBを接着充填した. 切断面に歯槽硬線の白線が認められる
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再発例9:54歳女性【切断面に金属土台が露出し、逆根管充填は困難】
3年前にブリッジの支台である右上1番を他院にて歯根端切除術を行ったが、歯茎の腫脹と痛みが出てきたので抜歯と言われた。ネットを見て当科受診し再歯根端切除術を行った。再発原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。
このように切断面の根管に金属土台が露出してしまうと、逆根管形成が深くできずMTAセメントを充填してもすぐに取れてしまうため非適応とされ抜歯と言われてしまう。歯質金属接着性SBセメントを使用すれば成功する。1年3か月後、症状なく根尖病変は消失し再生骨で埋まっていた。ブリッジを壊したり抜歯しなくて良かった!まだまだこれからも使い続けられる歯です。

術前 (歯茎の腫脹と痛み) 歯根端切除術 直後 1年3ヵ月後. 症状なく経過良好.完治
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再発例10:37歳女性【4回目の手術で成功。逆根管充填をしてないため感染】
ブリッジの支台である右上2.3番の歯肉痛+フィステル+排膿+のため、この5年間に3回 歯根端切除術(開業歯科2回、病院歯科口腔外科1回)するも症状再発した。当院受診、レントゲンで右上3番の根尖には大きい嚢胞と思われる影を認めたため、右上3番の再歯根端切除術、嚢胞摘出術を行った。根尖を2mm切除し汚染している根管内を超音波チップで清掃・消毒した後、SB逆根管充填をした。2番は症状ないため手を付けず。
再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。支台歯を含め連結した7本のブリッジが入っていたため、この歯を残してブリッジを壊さなかった価値は非常に大きく、患者さんは大変喜んでいた。長期経過レントゲン写真で右上2番と3番根尖部の治癒(陰影)の違いが興味深く、逆根管充填材の違いと思われる。

術前 歯根端切除術 直後 5年5か月後. 症状なく経過良好
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再発例11:51歳女性【逆根管充填してないため根管感染】
5年前に開業口腔外科で、上前歯6本ブリッジの支台である左上2番の歯根端切除術を行った。しかし1年前から歯茎の腫れ+フィステル+排膿+で再発したため、当科にて左上2.3番の歯根端切除術をした。左上2番の再発原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。根管内をダイヤモンド付き超音波チップで洗浄・消毒した後、逆根管充填をした。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
周囲骨に硬化性骨炎の不透過像あり 完治. 炎症が消失したので硬化性
骨炎像が消失している
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再発例12:39歳女性【切断面の根管充填材が腐敗していた】
18年前に左上1.2番の抜髄。その数年後、歯茎の圧痛+。8年前に某病院歯科口腔外科で歯根端切除術を行ったが、歯茎の圧痛と違和感は持続していた。数か月前から痛みが強くなり当科で再歯根端切除術を行った。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。左上2歯根の遠心に小亀裂ありSB接着セメントで広く接着充填した。

術前 歯根端切除術 直後 2年後. 症状なく経過良好
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再発例13:42歳男性【上顎5番、切断面の根管充填材が腐敗していた】
約10年前に近歯科で右上5番の根管治療をする。4か月前に歯肉にフィステル+のため病院歯科口腔外科で歯根端切除術を行った。しかしその1か月後に歯茎の腫脹あり再発、同病院で再掻爬するも数週間後にまた再発し抜歯と言われた。かかりつけ歯科より紹介され当科で右上5番の再歯根端切除術、逆根管充填を行った。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
歯槽硬線が出現し完治.
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再発例14:44歳女性【上顎4.5番、切断面の根管充填材が腐敗していた】
開業歯科で右上4.5番の歯根端切除術を行ったが、約9か月後に歯茎の腫脹、圧痛、発赤、右顔面痛、頭重感が出現する。当科にて再歯根端切除術、逆根管充填を行った。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。術前にあった顔面痛や頭重感は手術2週間後に消失した。
この症例は、歯根先の切断だけでは感染源が残り根尖病変が治らないことを示している。どうして前医は逆根管充填をしてくれなかったのだろうか?今もしてないのだろうか? 「歯根端切除術で逆根管充填をしない手術は受けてはいけない」と、失敗例から学ぶべきことは多い。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
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再発例15:51歳女性【MTAの再発例。上顎5番、マイクロスコープとMTAを使ったが再発した】
4年前に左上5番の歯茎が腫脹し、歯内療法専門医で自費のマイクロを使用してMTA逆根管充填の歯根端切除術を行う。経過良好であったが、約1か月前から歯茎の腫脹、圧痛、フィステル、排膿を認めるようになり再発、当科にて再歯根端切除術を行う。
再発の原因として、逆根管充填材のMTAは探針で触るとボロボロ、スカスカで硬化してなく根管の封鎖は不良であった。MTAを過信するとエラーを起こす。根尖を一層だけ削った後、超音波チップで腐敗したMTAをすべて除去しSB接着セメントを逆根管充填した。今後は同様ケースが増えて来ると思うが、自費治療のためトラブルにならなければ良いがと祈っている。MTAをSBに取り換えることだけで成功・治癒した症例。

↑ 術前 歯根端切除術 直後 1年2か月後. 症状なく経過良好
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再発例16:67歳女性【上顎4.5番、逆根管充填が不良であった】
3年前に歯茎が腫れて、某市立病院歯科口腔外科で左上4.5番の歯根端切除術を3回行ったがフィステル+排膿+で再発を繰り返す。紹介来院し再歯根端切除術を行った。再発原因は、逆根管充填はされていたが封鎖不良で感染源が残っていたから。

術前 歯根端切除術 直後 2年後. 症状なく経過良好
SB接着セメントで逆根管充填した.
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再発例17:37歳女性【逆根管充填が不良であった】
右下4番、某大学病院口腔外科で歯根端切除術、アマルガム逆根管充填を受けるが、約3年後に歯茎にフィステル再発。レントゲンで根尖病変は大きい。筆者で再歯根端切除術、スーパーボンドで逆根管充填した。

術前 術直後 2年後
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再発例18:36歳男性【奥歯の再発症例. 切断面の根管充填材が腐敗していた】
数か月前から左下6番歯茎の腫れがあり、近歯科受診し2か月前に歯根端切除術を行った。しかし、2週間前からフィステル、排膿、圧痛、打診痛が出現し再発した。当科受診し再歯根端切除術を行った。再発の原因は、近心根尖の切断のみで逆根管充填がされてなかった。奥歯の手術は術野が狭く見え辛く大変だが、ちゃんと逆根管充填しないと再発する。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
歯槽硬線の出現あり
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再発例19:39歳女性【切断面の根管充填材が腐敗していた】
2年前に左下6番の歯茎フィステル出現し、近歯科で歯根端切除術を行う。術後3ヵ月で歯茎の腫脹+フィステル+で再発。出現と消退を繰り返していたが、心配で当科受診し再歯根端切除術を行う。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
近心根のみに逆根管充填を行う。
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再発例20:51歳男性【MTAの再発例。原因はMTAが脱離して逆根管封鎖不良】
左下6番の歯茎の腫れとフィステル、排膿があり、近歯科でMTA逆根管充填して歯根端切除術を行う。しかし1か月後に症状再発したため紹介来院した。当科にて左下5.6 番の歯根端切除術 (病巣が2歯に及んでいたため)を行う。MTAは逆根管になく嚢胞内に遊離していた。
再発の原因はMTAが逆根管から脱離し、根管封鎖ができてなかったためである。MTAは逆根管充填材として良好という報告は多いが、歯に接着する材料ではないので、充填する窩洞の深さや形態に注意しないと脱離する。脱離すると根管封鎖不良となり細菌感染源が残り再発する。SB接着セメントで逆根管充填を行った。手術1年1か月後には根尖病変の影は消失し経過良好であった。MTAをSBに取り換えることで成功・治癒した症例。

術前 歯根端切除術 直後 1年1か月後. 症状なく経過良好
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再発例21:51歳男性【切断面の根管充填材が腐敗していた】
左下6番の歯茎に腫れが出て某大学病院口腔外科で歯根端切除術を行う。1か月後フィステル+排膿+で再発。当科受診し、再歯根端切除術、SB接着セメントを逆根管充填した。再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好
近心根、遠心根に行う
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再発例22:44歳女性【歯根の切断のみで逆根管充填をしてなかった】
左下6番、歯茎にフィステルと排膿あり、近歯科で歯根端切除術を行うも再発した。ネット検索し来院、当院にて歯根端切除術と嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。再発原因は、歯根端の切断のみで逆根管充填をしなかったためで、切断面根管の感染であった。3週間後にはフィステルは消失、経過良好。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
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再発例23:45歳女性【切断面のMTAセメントが腐敗していた】MTAの再発例
右上1番、近歯科でマイクロスコープを使って自費の根管治療とMTA根管充填をしたが、痛みが続き同医にて歯根端切除術を行った。しかし手術3週間後からツッパリ感と歯肉の圧痛が続くようになり紹介来院。当科にて再歯根端切除術、嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。根尖切断のみで逆根管充填をしてなかったのが再発の原因であった。経過良好にて3か月後に紹介医でセラミック冠を装着した。
■本症例のごとく術前にMTAを根管充填しておいて、術中に根尖切断だけして終える術式が、歯内療法専門医で増えている。その再発例を手術してみるとMTAの逆根管封鎖不良が原因であった。止血処置や逆根管治療は面倒だが、成功率を高めるならば、ちゃんと逆根管充填をした方が良いと思う。

術前 歯根端切除術 直後 2年後. 症状なく経過良好
SBで逆根管充填した.
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再発例24:48歳女性【逆根管充填をしてないため根管感染】
左上1番、8年前に近歯科で歯根端切除術を受ける。1週間前から歯茎に腫れとフィステルが出現し心配で来科。当科で再歯根端切除術と嚢胞摘出術を行った。再発原因は逆根管充填をしてなかったため根管腐敗、また歯根先には感染源として壊死セメント質を認めた。根尖を1.5mm切断した後、皿状形成と逆根管形成を行いSBセメントを充填した。MTAは皿状形成した部には充填できないた適応外である。金属コアは非常に長い。歯根歯質に壊死セメント質があったので根管治療をしても治らないケースであった。

術前 歯根端切除術 直後 1年後. 症状なく経過良好。完治
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再発例25:56歳女性【大きい歯根嚢胞。逆根管充填がされてなかった】
左上1.2番、約3年前に歯根端切除術を受けたが、2週間前から歯肉の腫れ・痛み・発赤・圧痛があり膿瘍を形成した。近歯科を受診したところ抜歯を提案された。当科受診し消炎後にに再歯根端切除術と嚢胞摘出術を行う。逆根管充填はされてなく根管は腐敗していて、根尖部には壊死セメント質を認めた。根尖2mm切除し、切断面を皿状形成と逆根管形成しSB充填した。術後経過は良好で1か月後症状なく、8年後、安定して完治していた。

術前 歯根端切除術 直後 8年後. 症状なく経過良好
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再発例26:44歳女性【切断のみで逆根管充填をしてないため根管感染】
右上1.2番、約10年前に根管治療、2年前から歯茎にフィステル、排膿を認め心配で来科。当科にて再歯根端切除術と嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行う。
術中所見:前回の手術では逆根管充填はされてなく、右上1の根管は黒く汚染され、右上2の根尖部には小亀裂を認めた。

術前 歯根端切除術 直後 3年10ヶ月後. 症状なく経過良好
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再発例27:63歳女性【切断のみで逆根管充填をしてないため根管感染】
左上6番、歯茎にフィステルと圧痛があり、近歯科で根管治療を2か月間行うが経過不良で歯根端切除術を受ける。しかし2か月後にフィステル再発し紹介来院した。レントゲンで6番頬側歯根先に陰影を認めた。当科にて再根管治療をした後、歯根端切除術と嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。再発の原因は、前手術で歯逆根管充填はしてなかった。約3週間後には症状なく経過良好で、3年後は病変の影は消失し完治。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく完治
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再発例28:45歳女性【感染歯質が原因の難症例。筆者の再発例】
右上1番、歯茎の腫れと痛み、フィステルがあり紹介来院。レントゲンで歯根先に大きい歯根嚢胞と思われる陰影を認めた。患者さんは冠除去しての根管治療は希望せず、筆者にて歯根端切除術と嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行った。しかし6か月後にフィステルが出現し再発したため、再歯根端切除術を行った。再発原因は根管ではなく近心部の感染歯質(この診断と治療は本当に難しい)で、追加して斜めに2mm根尖切除し、切断面を皿状形成した上で広くSB逆根管充填を行った。再手術1か月後にはフィステルは消失、2年後には安定して経過良好、歯槽硬線が出現し完治した。

術前 1回目、歯根端切除術 直後 感染歯質を切除し再歯根端切除術す。
しかし再発した。壊死セメント質 再手術2年後. 症状なく経過良好。
<この症例から学ぶ>
術中の感染歯質の診断は本当に難しい。究極の成功する歯根端切除術がここにある。
考察:
右上1番、レントゲンで根尖病変を認め、一般的に根管治療で治癒すると思われた。ただし陰影は根尖部だけでなく近心側面に及んでいて、その部の歯根外形は粗造で感染セメント質の存在が疑われた。そのため歯根端切除術をしたが再発。再手術で原因を精査したところ、逆根管充填に問題はなく、歯根近心部に感染歯質(感染セメント質・感染象牙質)を認めた。1回目の手術で切除の診断ができていれば再発しなかった訳だが、感染歯質の診断は難しい。メチレンブルーや齲蝕検知液でも染まらなかったので、その確認は色・軟化度で判断するしかない。
1.レントゲンで病変内の壊死セメント質の画像診断ができること、そして術中での視診・触診による診断ができることが重要。
2.感染歯質があれば根管治療での治癒は困難であると認識しなければならない。本症例に根管治療を行っても治癒しなかったと思われる。
3.根尖部に感染歯質あれば歯根端切除術が適応となるが、それでも難治性である。つまり逆根管だけが感染源という認識では手術成功率が高くならない。
4.本症例は、筆者が1度歯根端切除術を行ったが再発。原因は感染歯質の残存であり2回目の歯根端切除術で感染歯質部を除去し、皿状形成して接着セメントで封鎖する逆根管充填することで治癒した。
5.この症例を通して、感染歯質の診断の困難さと、感染歯質が存在した場合の、高いレベルの歯根端切除術の術式が確立されたと思っている。MTAでは対応できない。
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再発例29:45歳女性【大きい嚢胞。右上1番は逆根管充填をしてなかった。右上2番は逆根管充填の不良】
右上1.2番、約12年前に歯根端切除術を受けたが、歯茎の腫れ痛みを繰り返す。2か月前から症状が著しくなり近歯科受診したところ抜歯を勧められた。ネット検索し来院。当科にて再歯根端切除術と嚢胞摘出術、SB逆根管充填を行う。2か月後には症状消失、経過良好。根尖部には骨が再生され歯根周囲は歯槽硬線が出現し完治した。根尖から離れた所に陰影は残っているが、骨欠損で病変ではないので心配はいらない。

術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
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再発例31:56歳女性【】
左下4番


術前 歯根端切除術 直後 3年後. 症状なく経過良好
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<再発した場合の治療法>
レントゲンで原因を推測し再歯根端切除術を行う。根尖の病変であれば大きくても治療可能。ただし重度の亀裂や歯周炎、広範囲の感染歯根は適応外でできない。
1.再発原因である細菌繁殖部が、どの歯根の、どの部位にあるかを探し出す。
2.逆根管充填をしてないのが原因ならきちんと逆根管充填を行う。根管を完全封鎖できる接着性セメントを使えば成功の可能性は高い。丁寧で正確な術式が求められる。
3.再発原因が感染歯根歯質(感染セメント質や感染象牙質)にあると分かった場合は、根尖切除量を多くし切断面を皿状に広く形成、接着セメントで根管と切断面を皿状に接着充填して封鎖する。
この治療には知識と経験が必要。従来の根管だけが感染源だと決めつけるのでは、再発症例の治療は困難だろう。ここが認識されれば成功率90%の壁を突破できると確信している。私がここに気付くには長い年月を要した。MTAは接着性がないため、再発例に対しては成功率が高くなく適応外とされている。
歯根端切除術の再発・失敗した歯を、SB再歯根端切除術で成功率90%以上の結果で残します。
<こだわり歯根端切除術>を提供します。成功のためにはありとあらゆる事を考え、最新の器具器材を揃え息を止めて繊細な手術に臨みます。
以下ブログ
<再発症例の原因と考察と想い> <成功例よりも失敗例から学ぶことは多い>
ここに掲示した再発症例のほとんどで、再発の原因は歯根先端を切断したのみで逆根管充填をしてなかった。症例を選んだ訳ではないのに。切断時に根管がきれいだったので逆根管充填はしなかった、術前に緊密な根管充填をしたから切断だけで大丈夫とするDrがいますが、根管のセメントやガッタパーチャが後から腐敗し細菌感染源となって再発する。
逆根管充填しなければ全て再発する訳ではないが治癒率は約50%と低い。成功率約50%の医療を患者さんに勧めるる訳にはいかないだろう。逆根管充填の必要性は教科書に載っていることであり、私としては逆根管充填しない病院があることに正直驚いている。歯根端切除術を行う歯科医師はこれらの再発症例の教えを真摯に学び強く教訓としなければならない。
成功例だけに目を向けるのではなく、失敗例にこそ真実の原因が隠されていると思っている。切断面の根管は大きく、為害作用のある酸化亜鉛セメントやユージノールなどが広く露出し、辺縁漏洩は大きく細菌感染源となる。逆根管充填は確かに面倒で、出血創の中での処置で困難だからと行わないのはどうかと思う。止血剤や手技を工夫すれば可能です。
このように失敗例を検証し原因を解明して成功へ導くことで、本当の「予後の良い歯根端切除術」が完成すると思っている。手術のやりっぱなしでなく、1年後に経過をみていれば逆根管充填をしない術式は自ずととっくに消えていったはずなのに、なぜ消えていかないのだ。あり得ないことだが術者は、もしかしたら経過は診ないことにしていたり、成功すると思ってなく手術をしていたり、50%の成功率で満足して手術しているのかもしれない。
歯根端切除術は歯科臨床上で頻度の多い重要な手術であり、歯を残すための最後の砦です。このサイトの症例を見て逆根管充填しない方針の歯科大学病院や病院歯科があれば、逆根管充填をちゃんとしてくれることを望みます。再発の原因は逆根管充填の有無だけではないが、これで多くの手術再発と抜歯が防げるのは確かです。成功例よりも失敗例にこそ成功の秘密が隠されているから、ここから学べば良い。
私の仕事上の宝物は私が歯根端切除術をして再発した症例です。この宝物の中から再発原因は根管だけでなく感染歯質にあることを発見したのです。それによって再発原因不明だったものが解明され対応され、成功率が高まった。手術をしている時は絶対に治すつもりでいますが、再発した時には何が原因だったのだろうか、まだ自分の知らない歯根端切除術の世界があるのだろうか、自分のどこが未熟だったのかと悩み考えをめぐらせます。外科系の職人技を提供している者としては悔しいです。
成功率100%に近づくためには、失敗症例の資料を大切にして検証することだと考え、この23 年間の全症例をプロトコールで残しています。高い目標を掲げたため他病院の論文には満足できず参考にならなかった。患者さんが術後の定期検査に来てくれることで様々なことが分かってきた。そして成功率は90%を超え上がって維持しています。なぜ成功率が高いのかと問われれば、失敗する理由や原因を検証し分析されているからです。
失敗する原因はトップページ Q11を見てください。患者さんと一緒に成功率を上げてきたと思っています。過去を振り返ってみれば、私が失敗した多くの患者さんには迷惑をかけ苦しみを与えてしまった。しかし長い年月をかけやっと再発例の原因解明と治療法が完成し、患者さんには「お待たせしました」という気持ちです。
ちなみに当科では2015.1年間で316 例の歯根端切除術を行い、その内、他院で手術を行い経過不良で再手術を行ったのは79 例でした。そして情けなく嘆かわしいことに経過不良のほとんどの原因は逆根管充填に起因していた。
2017.7.現在、筆者の笠崎は歯根端切除術の再発治療専門医(自称)をしています。毎日のように悩みをかかえた再発患者さんが来院されるので、全力で再生治療をしています。歯根の亀裂や腐敗が進行していれば歯は残せない。しかし残せるものを抜歯してしまうのはその歯が可哀そう。
マイクロスコープを使用して自費でMTAを逆根管充填する歯根端切除術を行ったが、経過不良の患者さんが時々来院される。再手術してみるとMTAセメントがボソボソであったり固まってなかったりで、やはり歯根切断面の根管の封鎖が完全ではなかった。マイクロスコープを使用することで成功率が高まるというDrがいますが、重箱の隅の話でそこに頼るようではまだまだ本当の成功率は高まらない。
当科でも数千万円の高額なマイクロを使用することはあるが、成功率を高めるのはそこではなく(役立つ道具ではあるけれど)「失敗を検証することが成功を確かなものへと導く」と強く思っています。逆に言えば「失敗を検証することなく成功率を高めることはできない」のではないでしょうか。
遠くから来院される患者さんの1本の歯を残したいという「想い・願い」に答えるべく、私の成功させたいという「想い・こだわった技術」を届けたいと思っています。メール相談で歯根端切除術について本当に困って悩んでいる方が多いと知り、公的病院の役目として真面目に何とかしなければと使命感を持って成功率の高い治療を目指します。
<愚痴と情けない話>
再発した場合、他病院では原因をどう考えているのだろうか?もう一度手術しましょうと言う病院はあるようだが、再発の原因が説明されないため不信感で当科を受診される患者さんは多い。たぶん担当医は本当に失敗した原因が判らないのだと思う。「原因不明で再発防止ができるのか?」が患者さんの正直な気持ちだろう。原因不明だと次の手術で再発防止できないのは誰でも分かる。成功する当てがないので歯根破折のせいにされ抜歯ということになるのだろう。
歯根端切除術は抜歯・インプラント前のセレモニーではないと強く言いたい。まだまだ歯根端切除術は発展途上で、マイクロを主に使っているDrも再発原因に対して回答を出してない。なぜなら「マイクロを使えば成功率が高まる」とは言うが、「マイクロを使って失敗した原因はこれだ」とは誰も言ってないから。
再発した場合はまだ歯根のどこかに細菌感染源が残っているためで、ではそれはどこにあるのか。そのデータ分析・分類ができて術中に対応できれば成功する。教科書にも載っていないが回答は、1逆根管完全封鎖、2壊死セメント質、3感染象牙質、4亀裂だが、手術するDrは2と3に気づいているだろうか?これを読んで気づいてくれるだろうか??気づいても完全封鎖できないMTAでは治せないと理解しているだろうか?マイクロで見えているはずなのに知らないから見えなくなっていないか?切断面をチェックして感染歯質を見分けられているだろうか?「マイクロを使って、CT検査して、自費MTA逆根管充填」して失敗した場合でもあきらめないでメール相談下さい。
でも逆根管充填しないというのは論外の話です。情けない論外な話はもうしたくないが、メール相談のほとんどが逆根管充填なしの再発であまりにも多いための愚痴です。歯根端切除術で病巣を摘出して歯根先を切れば治るはずと思っているDrがいれば、それは間違いだと早く気づいて欲しい。切断面の根管に原因がまだ残っていると。
なぜ我々は歯根端切除術の再発が多いことを教訓に、次へ生かせないのだろう。理由は、1年以上の経過を集計してみていない、逆根管充填をしなくてもいいと思い込んでいる、逆根管充填をしないのが再発原因の第一位ということが理解されていない、歯の代用のインプラントがあるので歯を残すことに重きを置いていない。
治ると思って紹介状をもらって行った大学病院歯科口腔外科で、50%失敗する逆根管充填をしない手術をされ苦しんでいる患者さんは多い。病院歯科口腔外科の手術医に成功率は?と聞けば50%と回答する。事実は分かっているのになぜ術式を高めようとしないのか不思議だ。自分の家族にも同じ対応でいいのだろうか。「予後の良い歯根端切除術」をして成功という希望をあげたい。 歯根端切除術は私にいろいろなことを教えてくれた。術式だけでなく歯科医師としての考え方や生き方も。だからそれに報いるためにも、私は歯根端切除術の成功率を究極まで高めようとした、高めてきた。 希望、嬉しい、楽しい、喜び、心地良い風。
<歯根の周囲に歯槽硬線が出現したら成功の証し>
私の考える成功と治癒を示すキーワードは歯根周囲の*歯槽硬線の出現です。歯槽硬線とはレントゲン写真で歯根周囲を取り囲む連続して写っている白線を言い、実際は固有歯槽骨と言う硬く薄い骨です。根尖病変があればその部分は不連続で写っていませんが、治癒すれば骨が再生し出現してきます。
根尖病変の影が薄くなったり残っていても、症状がなければ成功としている治癒評価の甘い病院もありますが、歯槽硬線の出現を成功のキーワードにするのは非常に高いハードルです。手術症例の経過レントゲンを見れば分かってもらえると思います。
予後に関して「歯根端切除術の予後に関する臨床的検討」新潟大学歯学部口腔外科からの論文があるが、レントゲンで根尖部の陰影は残っているが臨床症状は特に問題なかったものは成功としたと報告している。こんな甘い成功という治癒評価に私は満足できない。kasazaki
<再発した場合の、他ネット相談での説明と対応は間違っている>
Q:自費治療でCT撮影とマイクロ・MTAを使って歯根端切除術を受けました。しかし2か月後、歯茎に穴が開いて膿が出るようになりました。再発ですか?どうしたらいいです。
A:再発です。歯内療法の専門医の先生や歯根端切除術に慣れている先生でしょうか? CTの撮影やマイクロスコープを使用されていたでしょうか? 根管治療がきちんとされていて、かつ歯根端切除術をきちんと行ったにもかかわらず治らないのであれば、残念ですが抜歯というのが一般的な流れになります。
他ネット相談を見ると、このような説明がされることが多いようです。きちんとした歯根端切除術がされて再発したら抜歯が一般的な流れだって!これは間違いです。「きちんとされて」と言うのには大きな幅があり、私から言わせてもらえるならば、マイクロスコープとMTAを使ってもきちんとした手術がされてないから再発したのです。「きちんと」とは最低でも逆根管の完全封鎖です。MTAでは完全封鎖できない。辺縁漏洩試験結果のデータを見れば判る。再発した原因を説明してあげないで抜歯するしかないと言うのは間違いです。最も大切なことは何故失敗したのかを説明できて、それを解消する本当のきちんとした再歯根端切除術を行い、経過を追って1年後に治癒を確認することが成功と言える。あきらめないで成功への道はまだある。
マイクロ・MTAを使用して再発した場合、次は抜歯と言われます。その理由は再手術してもMTA充填材に固執する限り、対応のしようがないと思う。また①MTAを使うのは歯内療法専門医が多く、外科的歯内療法といって根管のみが感染源だとする考えが強いため、感染歯質などが想定できてないのかもしれない。さらに②MTAでは感染歯質を除去できても封鎖できない。MTAで治せる病気を選んで成功率を出すのではなくて、病気を治すための最良の材料を選択すべきなのです。MTAに比べてSBが適応症が広い理由がこれです。
歯根端切除術が失敗した場合の再生工房を立ち上げます。歯根端切除術の再発例を成功へ導くためには、敵を知り(感染源の特定)、有効な武器(歯質接着性の完全封鎖できる逆根管充填材)をもって戦いに挑まなければならない。敵をみくびってはならないがあきらめて逃げる必要はない。確かに亀裂や感染歯質の問題点は厄介だが、心して準備すれば十分に勝算はある。ただし敵が難攻不落の強敵(亀裂が大きい、感染歯質が広範囲、重症歯周炎)と判断(診断)した場合には、勝てる(成功する)戦いではないので、戦いに挑んではならない。再発例に対してMTAでは有効な武器とはならないが、SBは有効な武器である。
<困った時はお互い様>
人生 いろいろな困った事が起きる。自分一人で解決できる事なら良いがそうでないことの方が多い。多くなった。その際に助けてくれる人がいればこんなに有難いことはない。そんな人に巡り合えると嬉しさと感謝で目頭が熱くなり涙もろくななる。今は91歳母の介護で介護ホームの方々に本当にお世話になっていて、いい人に巡りあっている。巡り合えるためには、自分が困っている人の助けや相談にのってあげること、仏壇に手を合わせることかなと思っている。ここに書けない困った事はいっぱいある。
私にできるのは歯根端切除術で困っている方が多く、少しでも不安が取れるよう相談にのったり、正しい治療が受けられるようなお役に立てれば嬉しい限りです。2019.5.5
歯槽硬線(しそうこうせん)とは
レントゲンで、健康で正常な歯には歯根を取り囲むように白線が連続して見られます。
歯槽硬線と言って薄い骨です。
歯根に嚢胞や歯周炎などの病変があればこの白線は消失していて、病変が治れば白線が
出現してきます。そのため歯根病変の有無や、根管治療や歯根端切除術などの治療を
行った後の、治癒・再発・完治を診断するのに重要です。

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プロフィール

- 笠崎安則:略歴
- 愛媛県松山市出身.1976年東京歯科大学卒業.慶応大学病院歯科口腔外科(13年間). 立川病院歯科口腔外科部長(27年間). 慶応大学医学部歯科・口腔外科(非常勤講師). 現在: 国立スマイル歯科,斎藤歯科にて歯根端切除術と再植術に特化した専門治療をしています.
- 笠崎真悟:略歴
- 東京都国立市出身.2010年東京歯科大学卒業.慶応大学病院,国立栃木医療センター,日野市立病院,都立多摩北部医療センター歯科口腔外科. 現在:2021.10/1から国立スマイル歯科、歯根端切除術とインプラント、親知らずの専門病院を開設しました.
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