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演題難治性の根尖病変に対する 予後の良い歯根端切除術
                                                                                               元.立川病院歯科口腔外科 笠崎安則   
  
適切な根管治療を続けているが、歯肉の腫れ・痛み・フィステルが消えなかったり、根管から排膿が止まらない。根管充填は良好なのに症状や根尖病変が消失しない。根管の閉鎖や弯曲、コア除去困難なため根管治療ができない。このようなエンド不良例に対して抜歯でなく、原因を解明し歯根端切除術や再植術で保存の限界を広げることは大切です。
 歯科臨床において歯根端切除術は頻度の高い、歯を保存するための重要な手術です。しかし成功率は約60%前後とされ、ネット検索すると経過不良や失敗で困っている患者さんの悩みのコメントがあふれている。そこで「予後の良い歯根端切除術の相談コーナー」というサイトを2012.1に立ち上げたところ反響は大きく、今では全国から患者さんが来院するようになり年間で約280例の手術を行っている。当科の歯根端切除術の特徴は、1992年から全例に逆根管充填材としてスーパーボンドを使用していること、全症例をプロトコール資料で残し経過を追い治癒評価していること、成功率は約95%である。
 歯根端切除術の術式は、根尖病巣の摘出根尖切除逆根管充填から成り立っている。成功率を高めるポイントは、①逆根管充填を確実にすること、②感染源は逆根管だけでなく切断面の感染歯質(感染セメント質や感染象牙質)や小亀裂にもあることを知り、あれば除去し完全封鎖することです。成功と失敗の大きな分かれ目は逆根管充填にあり、失敗原因の第一位は圧倒的に逆根管充填をしていなかったです。
 逆根管充填材としては細胞毒性がなく安全で、根管を完全封鎖できる辺縁漏洩のない材料が求められる。その点で歯質接着性のスーパーボンド・ラジオペークは非常に優れた材料で、再発例や難治症例、感染歯質や小亀裂があっても有効で、手術適応範囲は広い。ちなみにSBクイック液は私の提案で歯根端切除術のために開発製品化されたものです。
 臨床的成功率を左右する問題点を挙げ、私の考える予後の良い歯根端切除術を紹介します。「歯根端切除術」ネット検索で上位に載っているので目を通していただけると幸いです。
< 学歴および略歴 >
                   愛媛県松山市出身
    1976年:東京歯科大学卒業 
1976~1987年:慶応義塾大学医学部 歯科・口腔外科学教室入局
1982~1983年:波崎済生会病院 歯科口腔外科医長
1987~2015年:国家公務員共済組合連合会 立川病院歯科口腔外科部長
2015年3月~ :同上定年退職。現在、国立スマイル歯科など4か所の開業歯科で歯根端切除術を専門にし
                        ている。 
専門分野:   口腔外科。顎変形症の診断と治療。顎関節症。予後の良い歯根端切除術。
著 書 :      「手際のいい智歯の抜歯」
                     「智歯の抜歯ナビゲーション」(9カ国語に翻訳)       クインテッセンス出版
                     「日常歯科臨床のこんなときどうする」(口腔外科編) 
HP :         「歯根端切除術の相談コーナー」https://shikontan.hp-ez.com/
                                                                                                               2018.10.30.東歯大練馬会
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<歯根端切除術はできますか? その判断はどうするのですか?>
• レントゲンで歯根先の陰影(根尖病変)であれば、どんなに大きくても歯根端切除術はできる。しかし病巣が歯周ポケットと交通している場合は感染し易いのでできない。
• 上顎は1~5番は可能、6番の頬側2根は可能だが口蓋根はできない。下顎は1~6番まで可能。上下7番は、術中に歯根先が良く見えず適確な手術ができないので適応とならず、再植術で対応する。
• 歯根に大きく亀裂が入っていれば、亀裂が感染源なので除去できず適応とならない。亀裂のレントゲン画像診断が重要となる。
• 再発例は、マイクロスコープやMTAを使っても成功率が低いためできないとするDrは多いが、筆者はSBを使うので可能。「3回失敗しましたが4回目もできますか?」→はい可能です。
• 歯根端切除術の難治症例とされている、歯根嚢胞が大きく数歯に及ぶ場合、歯根が1/2と短い場合、切断面に金属コアが露出し逆根管形成ができない場合、病変が下顎神経(下顎4.5.6番)や上顎洞(上顎4.5.6番)に近いために神経麻痺や上顎洞炎の後遺症が心配な場合、などは適応としないDrは多いが、筆者は可能としている。
上記は筆者の場合で、手術担当医によって考え方や診断法、術式、逆根管充填材、経験度は異なるので一律的なものではないです。レントゲンをスマホ写メールしてもらえれば、手術ができて歯が残せる可能性があるか返事します。

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<講演の依頼どうぞ>

歯科医師会、スタディーグループの先生へ

講演の御依頼があれば受け付けておりますので御連絡ください.講演時間は各、約1.5~2時間です.
演者:立川病院 歯科口腔外科元部長 笠崎安則      
講演の題名:
 1.智歯の抜歯ナビゲーション
 2.歯科トラブル症例への対応①
 3.歯科トラブル症例への対応②
 4.難治性の根尖病変に対する予後の良い歯根端切除術
 5.開業歯科医院における口腔外科小手術について
 6.顎変形症の治療
 7.歯性上顎洞炎を考える
 8.顎骨骨髄炎の診断と治療

【1.智歯の抜歯ナビゲーション】
「手際のいい智歯の抜歯」 「智歯の抜歯ナビゲーション」(クインテッセンス出版)9か国語翻訳の著者であり、智歯抜歯におけるX線写真撮影法や読影、抜歯テクニック、抜歯にはまった時の原因と対処法など詳細に解説します.
【2.3.歯科トラブル症例への対応①、②】 
一般臨床におけるさまざまなトラブルや偶発症を、開業歯科の先生方から紹介された症例を中心に検証し、予防法と対応法を解説します.
【4.難治性の根尖病変に対する予後の良い歯根端切除術】
抜髄後、いつまでも打診痛が残り根管充填できない.根管治療していて排膿や浸出液が多く根治・根充がうまくいかない.X線写真上では根管充填は良好なのに、fistel形成や歯肉腫張の出現、根尖病巣の残存.以上のようなエンド不良例を臨床医なら誰でも経験するものです.抜歯すればすみますが、一本の歯にこだわり、保存の限界を知ることも大切なことだと考えます.エンド不良例の原因を究明し、再根治できない不良例に対しては、外科的治療法として歯根端切除術、意図的再植術などがあり試みるべきでしょう.
 歯根端切除術においては、根尖を明示した後にマイクロミラーを挿入して写真撮影を行い、エンド不良の原因を究明する.根尖切除は1から2mmで十分であり、逆根充窩洞は超音波ダイヤモンドチップで形成し、スーパーボンド・ラジオペークで逆根充する.そしてX線写真で長期経過観察を行った結果、95%以上の成功率をおさめている.臨床的成功率を左右する問題点を挙げ、私の考える予後の良い術式を紹介したいと思います.
5.開業歯科医院における口腔外科小手術について】
切開・縫合処置の基本手技、膿瘍切開、小帯切除術、骨隆起除去術、歯槽堤形成術、粘液嚢胞摘出術など日常臨床で行われる口腔外科小手術を解説します.
【6.顎変形症の治療】
下顎前突症に代表される顎変形症の分析法、診断法、手術結果、予後など症例写真をもとに解説します.
【7.歯性上顎洞炎を考える】
抜歯後、上顎洞に大きく穿孔してしまった、歯根を迷入させてしまった、根充材が上顎洞内に入って頬部に疼痛や腫張が生じてしまった、上顎臼歯の根治をしたところ、根管より多量の排膿がみられ、エンド不良になってしまった、など上顎洞と歯との関係を症例をもとに考察します.
【8.顎骨骨髄炎の診断と治療】
感染症の中で骨髄炎はやっかいな病気です.昔は顎骨の著明な腫張や排膿、熱発、X線写真による骨吸収を示す透過像など診断は容易でした.現在は抗菌剤の開発や歯牙保存治療法の進歩もあって、目で見える症状がないまま進行する硬化性骨髄炎がみられることがあります.原因は抜歯後感染、根尖病巣からの感染、糖尿病などの全身的疾患に関係するものなどです.エンド不良の1本の歯が原因で下顎骨骨髄炎になった症例に対し、症例から学ぶべきものは多いと考えます.症例を挙げX線写真の読影、診断法、治療法を解説します.
 

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2017.11.25.土曜日、慶応大学病院にて講演会をします。歯科医師向き、無料、希望申し込みはこの質問コーナーへ。若手のDrどうぞ。場所:JR信濃町、慶応大学病院 総合医科学研究棟会議室4、16時から。

演題:難治性根尖病変に対する予後の良い歯根端切除術   笠崎安則 2時間
適切な根管治療を続けても、歯肉の腫脹や疼痛、フィステルが消失しない。根管から多量の膿汁がみられいつまでも根管充填ができない。X線写真では良好な根管充填がされているのに症状や根尖病変が消失しない。このようなエンド不良例を臨床医なら誰でも経験するものです。この原因は何だろう?抜歯すればすみますが、1本の歯にこだわり原因を解明し保存の限界を広げることは重要で、外科的救済法として歯根端切除術や意図的再植術があり試みるべきでしょう。
 歯科臨床において歯根端切除術は頻度の高い、歯を保存するための重要な手術です。しかしながら成功率は約60%前後とされ、ネット検索すると経過不良で困っている患者さんの声であふれている。そこで「歯根端切除術の相談コーナー」というサイトを立ち上げたところ反響は大きく、全国から患者さんが来院するようになり、2016年1年間で356例の手術を行った。
 当科の歯根端切除術の特徴は、1991年から全例に逆根管充填材としてスーパーボンドを使用していること、全症例をプロトコール資料で残し経過を追っていること、成功率は約95%で良好であること、である。なぜ成功率が高いのかと問われれば、長期に経過観察することで失敗例を検証し再発の原因が判ったからで、それは根管内だけではなかった。再発した場合にはその感染源は切断面にあり根管と感染歯質に分類できる。逆根管だけでなく壊死セメント質や感染象牙質に目を向け対処することでやっと成功率90%の壁を突破できるようになった。
 歯根端切除術の術式は、根尖病巣の摘出根尖切除逆根管充填から成り立っている。成功と失敗の大きな分かれ目は逆根管充填にあり、逆根管充填材としては安全で細胞毒性がなく、感染源となる根管を完全封鎖する材料が求められる。その点でスーパーボンド・ラジオペークは非常に優れた材料で、MTAセメントと比較して広い適応症と高い成功率である。成功を左右する問題点や成功率を高めるポイントをあげ、予後の良い歯根端切除術を紹介します。

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<難治性根尖病変に対する予後の良い歯根端切除術>
 インプラントの発展とともに抜歯のハードルが低くなり、根尖病変が大きから根管治療が不良だからと、残せる歯まで抜歯になっているのを目にするのは嘆かわしい。1本の歯にこだわり保存の限界を広げることは重要で、外科的救済法として歯根端切除術や意図的再植術があり試みるべきでしょう。歯科臨床において歯根端切除術は頻度の高い、歯を保存するための重要な手術です。しかしながら成功率は約60%前後とされ、ネット検索すると経過不良で困っている患者さんの悩みのコメントがあふれている。適応症を見極め、適切な術式により成功率の高い歯根端切除術を目指さなければならない。成功を左右する問題点をあげ予後の良い歯根端切除術を紹介します。

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歯科医師会やスタディーグループの皆さまへ
「エンド難症例に対する予後の良い歯根端切除術」の演題で講演をしますのでご依頼ください。
  演題1:< 難治性根尖病変の原因解明と予後の良い歯根端切除術切除 > 1時間30分  笠崎安則
適切な根管治療を長く続けても、歯肉の腫脹や疼痛、フィステルが消失せず治らない。根管から多量の膿汁や浸出液がみられいつまでも根管充填ができない。X線写真では良好な根管充填がされているのに症状や根尖病変が消失しない。このようなエンド不良例を臨床医なら誰でも経験するものです。この原因は何だろう?抜歯すればすみますが、1本の歯にこだわり原因を解明し保存の限界を広げることは重要です。エンド不良例や難症例に対して、外科的救済法として歯根端切除術や意図的再植術があり試みるべきでしょう。予後の良い歯根端切除術を紹介します。
内容:・成功する歯根端切除術のポイントとコツ(成功率90%以上)
   ・歯根端切除術で失敗する4つの原因
   ・エンド不良例の原因を解明する.
     原因は根管内だけではないことを知り、その一つに壊死セメント質があり読影に注意をはらう.



 
 

慶応大学病院歯科口腔外科での講演抄録から 
演題:< 予後の良い歯根端切除術 完結編 >  元立川病院歯科口腔外科部長 笠崎安則
     
 適切な根管治療を長く続けても、歯肉の腫脹や疼痛、フィステルが消失せず治らない。根管から多量の膿汁や浸出液がみられいつまでも根管充填ができない。X線写真では良好な根管充填がされているのに症状や根尖病変が消失しない。このようなエンド不良例を臨床医なら誰でも経験するものです。この原因は何だろう?抜歯すればすみますが、1本の歯にこだわり原因を解明し保存の限界を広げることは重要で、外科的救済法として歯根端切除術や意図的再植術があり試みるべきでしょう。
 歯科臨床において歯根端切除術は頻度の高い、歯を保存するための重要な手術です。しかしながら成功率は約60%前後とされ、ネット検索すると経過不良で困っている患者さんの悩みのコメントがあふれている。そこ で「歯根端切除術の相談コーナーあきらめないで」というサイトを立ち上げたところ反響は大きく、今では全国から患者さんが来院するようになり、2014年1年間で279例の手術を行った。
 当科の歯根端切除術の特徴は、1991年から全例に逆根管充填材としてスーパーボンドを使用していること、全症例をプロトコール資料で残し経過を追っていること、成功率は約95%で良好であること、である。なぜ成功率が高いのかと問われれば、長期に経過観察することで失敗例を検証し再発の原因が判ったからで、それは根管内だけではなかった。
 歯根端切除術の術式は、根尖病巣の摘出根尖切除逆根管充填から成り立っている。成功と失敗の大きな分かれ目は逆根管充填にあり、逆根管充填材としては安全で細胞毒性がなく、細菌感染の繁殖部となる根管を完全封鎖する辺縁漏洩のない材料が求められる。その点でスーパーボンド・ラジオペークは非常に優れた材料である。では完璧な逆根充がされれば必ず成功するかといえば、そうはいかず約80%くらいであった。理由は細菌感染の繁殖部が、根管内だけではなく壊死セメント質や感染象牙質にあったからである。ここに目を向け対処することでやっと成功率90%の壁を突破できるようになった。この27年間勤務の中で私の歯根端切除術の成功と失敗の歴史を述べ、予 後の良い歯根端切除術を紹介させていただきます。
 最後に、私は2015年3月をもって立川病院を定年退職となりました。これまでの皆様のご支援に感謝申し上げます。

プロフィール

プロフィール画像
笠崎安則:略歴
愛媛県松山市出身.1976年東京歯科大学卒業.慶応大学病院歯科口腔外科(13年間). 立川病院歯科口腔外科部長(27年間). 慶応大学医学部歯科・口腔外科(非常勤講師). 現在: 国立スマイル歯科,斎藤歯科にて歯根端切除術と再植術に特化した専門治療をしています.
笠崎真悟:略歴
東京都国立市出身.2010年東京歯科大学卒業.慶応大学病院,国立栃木医療センター,日野市立病院,都立多摩北部医療センター歯科口腔外科. 現在:2021.10/1から国立スマイル歯科、歯根端切除術とインプラント、親知らずの専門病院を開設しました.

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