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親知らずの移植

<抜歯になった場合、親知らずの移植ができることがあります>
歯根の破折や腐敗などで歯根端切除術ができず抜歯となった場合、欠損部に対して①入れ歯、②ブリッジ、③インプラント治療が選択される。それ以外の選択として、もし親知らずが残っていて条件が合えば移植できる場合がある。つまり上記が回避される。
メリット:自分の不要となっている親知らずを有効利用し、新しい歯が生えたように使えることになる。
デメリット:手術であり一時的ではあるが痛みや腫れがある。歯根膜の損傷が大きい場合は歯根吸収や歯根癒着が起きて、経過を診る中で炎症・感染が生じて予後不良となり、移植した親知らずが生着せず抜歯となる。
条件:
・親知らずが残っている。
・親知らずの歯根や歯根膜を損傷することなく上手く抜歯できるか。
・歯根の大きさが欠損部に適合するか。大臼歯6番.7番が適応となる。
・歯根の長さが十分にあるか。
・移植床が適切に形成できるか。
・術後に根管治療や冠を被せることが必要となる。
費用:保険適応される場合と適応されず自費治療の場合がある。抜歯と同時でなく炎症が強いため数週間後に移植する場合や、骨移植を伴う場合は自費治療となる。
予後:統計では7~10年後に残っている確率は70~90%以上と言われている。10年以上の経過を診ること自体が難しいが、近年、術式や器材が発展しているので筆者経験では長期に残っていると思っている。

筆者の実例を供覧します。
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症例84:42歳女性
【左上親知らずを左下6部へ移植】 
左下6番欠損部に左上親知らずを移植した。左下親知らずもあったが移植床の大きさが合わず上親知らずを選択した。
img_20250926-123703.jpgimg_20250926-123900.jpgimg_20250926-123913.jpg
      術直後                          半年後               1年後. 症状なく経過良好
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症例:35歳女性右下親知らずを右下6番部へ移植

img_20241206-194722.jpg パノラマX線写真。

img_20241206-193939.jpg img_20241206-193955.jpg img_20241206-194007.jpg
   術前(デンタル写真)       歯根端切除術       1年後 症状なく完治
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症例:45歳 女性【右下親知らずを右下6番部へ移植】
右下6番、根管には軟化象牙質(虫歯)が多量で穿孔を認め抜歯が適応とされた。
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   右下6番の抜歯後           移植 直後
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症例:25歳 男性 【右下親知らずを右下7番部へ移植】
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症例:16歳 女性【左下親知らずを左下6番部へ移植。神経は生きている】
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【親知らず移植の説明と同意書について】
歯牙移植(しがいしょく)とは、不要な歯を抜いてその歯を違うところへ移植することです。虫歯や歯周炎で抜歯となった場合、欠損部に対しては①入れ歯、②ブリッジ、③インプラントが選択されます。それ以外の選択として、もし親知らずが残っていて条件が合えば歯牙移植できる場合があります。つまり上記が回避されます。メリット・デメリット、条件などを説明しますので納得の上でご希望の方に実施いたします。
条件:
・親知らずが残っている。
・親知らずの歯根や歯根膜を損傷することなく上手く抜歯できるか。
・親知らず歯根の大きさが欠損部に適合するか。奥歯の6番目や7番部が適応となる。
・歯根の長さは十分にあるか。歯根形態は異常ではないか。
・移植床が適切に形成できるか。
・埋伏している親知らずでも使える場合があります。
・親知らず以外では歯列矯正治療する上で、不要となる便宜抜歯される小臼歯も移植歯の対象となります。
メリット:
・自分の不要となっている親知らずを有効利用し、新しい歯が生えたように使えることになります。
・入れ歯やブリッジやインプラントを回避できるという大きなメリットがあります。
・歯根膜が生かされるので噛んだ時に食物を感知する感覚があります。自身の歯と同じように噛めるメリットは大きいです。
・歯根が完成していれば根管治療を必要としますが、17歳以下の場合、移植歯の神経が生きたまま残る可能性があります。
デメリット:
・手術であり一時的ですが痛みや腫れがあります。
・経過を診るなかで移植した親知らずが生着しなければ抜歯となります。
・保険は適応されず自費治療となります。抜歯と同時でなく数週間後に移植する場合や、骨移植を伴う場合は自費治療となり、当院では132,000万円(税込、歯牙固定費、術後2か月間の診察・検査・レントゲン・抗菌剤や鎮痛剤などの薬代を含めた費用です)
・術後に移植歯の根管治療や冠を被せることが必要となります。
予後:統計では7~10年後に残っている確率は70~90%以上と言われています。10年以上の経過を追うことが困難で報告は少ないです。近年、術式や器材が発展しているので筆者経験では長期に残っていると思っています。しかし歯根膜の損傷が大きい場合は歯根吸収や歯根癒着が起きたり、歯根が短い・骨量が少ない場合は動揺が起きたりなど、リスクがあれば予後不良の可能性があります。
親知らず移植の流れ:

①レントゲンチェックし移植の適応かどうかを診断します。下顎神経や上顎洞の位置をチェックし安全で適切な手術の検討をします。説明と同意書の作成。
②移植手術。移植歯が抜け落ちないように接着材で隣在歯と固定したり、特殊な歯肉縫合をします。移植歯の固定は約2か月間。
③移植歯の根管治療。
④経過良好であれば仮歯を装着して噛めるようにします。
⑤仮歯を入れて経過良好であれば手術3か月以降で冠を装着します。
⑥経過観察。術後6か月.1.2.3.5年にレントゲンで経過を診ます。
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               上記の説明を受け納得しましたので、治療を受けることに同意します。
 国立スマイル歯科                    令和   年   月   日
 
 説明医師名___________            患者氏名___________ 

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プロフィール

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笠崎安則:略歴
愛媛県松山市出身.1976年東京歯科大学卒業.慶応大学病院歯科口腔外科(13年間). 立川病院歯科口腔外科部長(27年間). 慶応大学医学部歯科・口腔外科(非常勤講師). 現在: 国立スマイル歯科,斎藤歯科にて歯根端切除術と再植術に特化した専門治療をしています.
笠崎真悟:略歴
東京都国立市出身.2010年東京歯科大学卒業.慶応大学病院,国立栃木医療センター,日野市立病院,都立多摩北部医療センター歯科口腔外科. 現在:2021.10/1から国立スマイル歯科、歯根端切除術とインプラント、親知らずの専門病院を開設しました.

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